空き家の増加は、現代の社会問題の代表とも言える問題にもなってきていますよね。自分は空き家を持っていない…とどこか他人事のように感じている人もいるかもしれませんが、親が所有している実家を受け継ぐことで問題の当事者になる可能性もあるでしょう。
今回は、空き家をそのままにする人が増えている背景や放置することで自分や社会に降りかかるリスクについて考えてみましょう。
◆どうして空き家のままにする?
親が亡くなって実家を相続するのが一般的なパターンですよね。相続したからと言ってすぐに手放す人は少ないかもしれません。
その理由として大きいのが「思い出を壊したくない」ということでしょう。親が亡くなっただけでも悲しいのに、家を売ったり壊したりすると思い出すべてが消え去るような感覚になるものです。
誰かが住むというのが活用方法としては理想的ですが、すでに自立している子供世代は他にマイホームを購入しているケースが多いもの。マイホームを持っていなくても、仕事の都合で実家に戻る予定はない」など、その使い道にまずは悩むことになるでしょう。
「売る」「壊す」「誰かが住む」「このままにしておく」など、さまざまな選択肢で悩んでいるうちになんとなく放置していることもあるかもしれません。
◆空き家がもたらすリスク
誰も住まないまま放置していると、次のようなリスクに精神的に悩むことになりそうです。
◎住まいの老朽化がスピードアップする
住まいは、適度な換気や掃除、メンテナンスによって寿命が変わります。誰も住んでいない家は窓の開閉もほぼなく、湿気でカビが発生しやすくなります。木材も傷むので、老朽化スピードが早くなるでしょう。それに、設備機器も動かさなくなるので、壊れやすくなります。
◎維持費用がかかりすぎる
放置していても固定資産税は払わなくてはいけません。「たまに管理のために帰る」と、電気や水道の契約をしていれば、その分も毎月かかってしまうでしょう。
◎隣家への迷惑
住まいの劣化が進行するのは、家のなかだけではありません。外壁や屋根なども衰え、風や雨などによって剥がれ落ちてしまうことも。
また、庭木の問題も深刻です。手入れがされていない樹木は育ち放題。枝や葉っぱが隣家に侵入してしまうことも少なくありません。木々に付着する虫の問題も、近隣住民への不快感をもたらします。
◎犯罪に絡む問題
家の傷みや管理が行き届いていない庭を見れば、空き家であることが多くの人に気づかれます。ポスティングなどで郵便受けにチラシが満杯になると、「誰もいないのだろう」と空き巣のターゲットにもなりやすいです。
また、誰もいないことで誰かが住みついてしまったり、放火されたりと犯罪絡みの問題にも悩まされるかもしれません。
◆まとめ
実家を手放す決断はとても勇気がいります。ただ、使い道に悩んで長く放置すると、「税金や管理にお金がかかる」「近隣の人へ迷惑となる」と問題が大きくなるかもしれません。老朽化が激しくなって「売却しよう」と考えても、資産価値がなくなると売れにくかったり、壊さななければならない結果になることも。
問題が大きくなる前に、「将来使う予定はあるか?」「空き家のままでどんな問題が起こるか?」をじっくり考えて、早めの決断をすることが大事ではないでしょうか。